新スキーで0.01秒差:モルツァンがゼルデン制覇、ファン・デールで女子初優勝

2024年2月11日(日)、ソルデウの回転で滑るポーラ・モルツァン。写真: Tournasol7(ウィキメディア・コモンズ)、CC BY 4.0
ポーラ・モルツァンが2026年10月24日(土)、ゼルデンの女子大回転を0.01秒差で制し、149戦目でワールドカップ初優勝を飾った。マルセル・ヒルシャーが設立したブランド、ファン・デール(Van Deer)のスキーでの初レースでもあり、同ブランドのスキーで女子選手がワールドカップを勝ったのも初めてだった。翌10月25日(日)の男子はルーカス・ピニェイロ・ブラーテンがアトミックで優勝した。以下に両レースの結果、表彰台を支えたスキー、そして市販スキーとの共通点をまとめる。
要点
- 女子大回転(10月24日):モルツァン(米国)2:14.82、ラーラ・コルトゥーリ(アルバニア)+0.01秒、エマ・アイヒャー(ドイツ)+0.52秒。ミカエラ・シフリンは1本目首位から7位に終わった。
- 32歳のモルツァンは夏にスキーをファン・デールに変更。コルトゥーリはブリザードからヘッドへ、フランツィスカ・グリッチュはアトミックへ移った。
- 男子大回転(10月25日):ピニェイロ・ブラーテン(ブラジル)がアトミックで1:44.72、ロイック・メイヤール(スイス、ロシニョール)+0.48秒、マルコ・オデルマット(スイス、シュテックリ)+0.49秒。強風のためスタートは予備位置に引き下げられた。
- 2026/27シーズンのワールドカップ大回転に関するFIS規則:回転半径30 m以上、長さは女子188〜192 cm、男子193〜200 cm、センター幅65 mm以下。
- 女子はレッテンバッハ氷河で標高差357 m、1本あたり45旗門を滑り、男子はスタート引き下げ後に標高差308 m、38旗門だった。
土曜日:レッテンバッハ氷河での0.01秒
夜間の降雪でスタートは約30分遅れたと、ORFが報じた。1本目は晴天だったが、降雪と視界不良の中で行われた2本目が順位をひっくり返した。1本目を0.14秒差で首位に立っていたシフリンは7位に後退し、モルツァンは5位から浮上した。前年優勝者のユリア・シャイブは1本目、中間タイムで首位に立ちながら転倒したが、十字靱帯の断裂はなかったと報告したとORFは書いている。アイヒャーは同局に対し、表彰台を「本当に、本当に予想外」と語った。
| 順位 | 選手 | 1本目 | 2本目 | 合計 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ポーラ・モルツァン(米国) | 1:07.86 | 1:06.96 | 2:14.82 | – |
| 2 | ラーラ・コルトゥーリ(アルバニア) | 1:08.05 | 1:06.78 | 2:14.83 | +0.01 |
| 3 | エマ・アイヒャー(ドイツ) | 1:08.52 | 1:06.82 | 2:15.34 | +0.52 |
| 4 | サラ・ヘクトル(スウェーデン) | 1:07.41 | 1:08.04 | 2:15.45 | +0.63 |
| 5 | アシャ・ゼネレ(イタリア) | 1:08.77 | 1:06.77 | 2:15.54 | +0.72 |
| 6 | カミーユ・ラスト(スイス) | 1:07.64 | 1:07.99 | 2:15.63 | +0.81 |
| 7 | ミカエラ・シフリン(米国) | 1:07.27 | 1:08.38 | 2:15.65 | +0.83 |
出典:FISリザルト。コースセットは1本目がカイ・グレニングセーテル(ノルウェー)、2本目がルカ・アガッツィ(イタリア)。モルツァンはFISのレースレポートで「今はおとぎ話のように感じている」と語った。「新しいマテリアルでの最初のレースでこんなことが起きるとは、まったく予想していなかった」。32歳での初優勝は女子ワールドカップ史上最年長で、2022年11月27日(日)にキリントンで31歳5か月で初優勝したアンナ・スヴェン・ラーションを上回ると、alpineskiworldcup.comが指摘した。
女子表彰台を支えたスキー
上位7人のうち3人が夏にブランドを変えた。モルツァンはワールドカップツアーでファン・デールを履く唯一の女子選手として同ブランドと契約したと、NBCスポーツが書いている。SnowBrainsによると、この勝利はファン・デール・レッドブル・スポーツ(Van Deer-Red Bull Sports)のスキーによる女子初優勝で、同サイトはコルトゥーリのブリザードからヘッドへの移籍も伝えている。モルツァンはSki Racingに対し、ブランドは「ほぼゼロから始めて、女子ライン全体を開発しなければならなかった」と語った。
| 順位 | 選手 | 2026/27のスキー | 夏の変更 |
|---|---|---|---|
| 1 | ポーラ・モルツァン | ファン・デール | あり、同ブランドでの初レース |
| 2 | ラーラ・コルトゥーリ | ヘッド | あり、ブリザードから |
| 3 | エマ・アイヒャー | ヘッド | なし |
| 7 | ミカエラ・シフリン | アトミック | なし |
| 9 | フランツィスカ・グリッチュ | アトミック | あり |
ブランドはFISレースレポート、Ski Racing、SnowBrains(2026年10月24日(土))による。ヘッドは上位6人中4人を占め、ヘクトルが4位、ラストが6位。ユリア・シャイブとペトラ・ブルホバはロシニョールを履く。
日曜日:男子大回転
10月25日(日)は、レッテンバッハ氷河上部の強風のためコースが短縮されたと、APが報じた。FISはレースの数時間前にスタートを予備位置へ移したと、5min.atが書いている。ピニェイロ・ブラーテンは1本目を0.24秒差で首位に立ち、そのまま守り切って2020年以来2度目のゼルデン優勝。メイヤールに0.48秒差をつけ、オデルマットはさらに0.01秒後ろで、女子のレースを決めたのと同じ差だった。3位はオデルマットにとって200戦目で103度目のワールドカップ表彰台だと、Neveitaliaが数えている。ラファエル・ハーザーは2本目最速の51.90秒をマークし、20位から5位に浮上した。2025年のゼルデンで2位だったマルコ・シュヴァルツは、わずか数旗門でコースアウトした。「攻めたラインを試したかった。少し攻めすぎだったと思う」と、laola1に語った。
| 順位 | 選手 | スキー | 合計 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ルーカス・ピニェイロ・ブラーテン(ブラジル) | アトミック | 1:44.72 | – |
| 2 | ロイック・メイヤール(スイス) | ロシニョール | 1:45.20 | +0.48 |
| 3 | マルコ・オデルマット(スイス) | シュテックリ | 1:45.21 | +0.49 |
| 4 | リバー・ラダムス(米国) | ロシニョール | 1:45.54 | +0.82 |
| 5 | ラファエル・ハーザー(オーストリア) | アトミック | 1:45.58 | +0.86 |
| 6 | ファビアン・グラッツ(ドイツ) | フィッシャー | 1:45.67 | +0.95 |
| 7 | アレックス・ヴィナツァー(イタリア) | アトミック | 1:45.80 | +1.08 |
タイムとブランドはFISリザルトによる:スタート標高2,978 m、フィニッシュ2,670 m、1本あたり38旗門、コースセットはニクラス・シェルスリ(ノルウェー)とニック・クーパー(ブラジル)。出走69人のうち2本を完走したのは26人。上位10人のうちロシニョールは4人、アトミックは3人。8位のエイリク・ヒスタ・ソルベルグがファン・デールの出走8人中最上位で、ヘッドで登録されているヘンリク・クリストファーセンは22位だった。出走者全体ではアトミックとロシニョールがそれぞれ11人、ヘッド10人、ファン・デール8人。
レース用スキーと市販スキーの共通点
数字の上ではごくわずかだが、構造では多くを共有している。ワールドカップ大回転についてFIS用具規定2026/27は、回転半径30 m以上、センター幅65 mm以下を定め、今季から新たにスキー・プレート・ビンディング合計で女子4.9 kg、男子5.1 kgの重量上限を設けた。当サイトは2026年10月21日(水)の記事でこの上限を市販スキーと比較した。
レース用スキーそのものも当サイトのカタログにある。ファン・デール GS World Cupはメーカー公表値によると188 cmと193 cmの2サイズで、回転半径30 m、センター幅65 mm。同じファミリーの市販スキーの回転半径はずっと短く、ファン・デール Pro(68 mm、168〜182 cmで13〜19 m)、ヘッド Worldcup Rebels e-Race(68 mm、160〜180 cmで12.9〜16.8 m)、アトミック Redster G9(67 mm、166〜176 cmで15〜17 m)となっている。レース用スキーと共通するのは65〜68 mmという細いセンター幅で、ゼルデンが夏の間貯蔵してこの開幕週末に使った人工雪のような硬い雪面で、エッジをブーツの近くに保つ。硬い雪面向けのカービングスキーの候補を絞るには、Pick-a-skiツールがエッジグリップとカービングでカタログをランク付けする。
出典
- FISリザルト(ゼルデン2026、女子大回転10月24日(土)・男子大回転10月25日(日))、FISレースレポート(2026年10月24日)、FIS「Specifications for Alpine Competition Equipment 2026/27」(2026年7月)
- 女子のレース:ORF Sport、Ski Racing、NBC Sports、SnowBrains、alpineskiworldcup.com(いずれも2026年10月24日)
- 男子のレース:AP(US News経由)、laola1、Neveitalia、5min.at、ORF Sport、Tiroler Tageszeitung(いずれも2026年10月25日)
- Pick-A-Skiカタログ、上記のファン・デール、ヘッド、アトミック各モデルのメーカー公表値
