Salomon Shift2 13 — レビュー
Salomon Shift2 13は、登りはピン式トゥ、下りはアルパイン様式のトゥ&ヒールで滑るハイブリッドATビンディングです。1台でツアー効率とアルパイン級の滑走性能を両立したい上級〜エキスパートに向きます。
注目ポイント
- 約47 mmの長いトゥ側弾性移動量により、保持力と減衰性が向上。
- MNC対応(ISO 5355/9523/23223, WTR)。ツアーモードにはトゥのテックインサート必須。
- アルミ製・微調整可能なPower Block AFDで、各種ソール規格でも安定したリリース。
- ツアーモードでヒールが完全回転、複数のクライミングエイド、ブレーキロック、クランポン対応。
- カーボン強化ポリアミド/アルミ/スチール構成、TÜV認証。
雪上インプレ
登り(ツアー)
ピンの効率が高く、歩行感は自然。手順に慣れれば切替もスムーズ。約920 g/個と超軽量ではないものの、フレーム型よりはるかに登りやすく、Duke PTより取り回しは楽。厳寒や深雪ではトゥ周りの着氷が切替を難しくすることがあるため、雪氷の除去が有効です。
下り
本領発揮。大きな弾性を持つアルパイン風トゥと調整式AFDが、力強い伝達と予測可能なリリースを実現。固いバーンや荒れた雪での安定感は、リゾートのアルパインセットにかなり近い感触。ヒール側の弾性(約9 mm)はトップレース系アルパインより短いものの、ATとしては非常に高い安心感です。
スペック解説
- 種別 — Alpine Touring(ハイブリッド/Tech):登りは効率的、下りはアルパイン級の安全性と滑走性能。
- DIN解放値 — 6–13:パワフルな中上級〜上級者向け。非常に重い/攻める人は16も検討。
- 弾性移動量 — トゥ約47 mm/ヒール約9 mm:衝撃を吸収し、早期リリースを抑制。
- ブレーキ幅 — 90/100/110/120 mm:スキーのウエストと同等〜約+15 mmを目安に選択。
- 重量 — 約920 g/個(約1840 g/ペア):中量級でフリーラン+ツアーの両立に最適。
- 互換性 — MNC(ISO 5355/9523/23223, WTR):幅広いブーツに対応。登りにはテックインサートが必要。
- 素材 — カーボン強化ポリアミド、アルミ、スチール:剛性/耐久/重量のバランスが良好。TÜV認証。
比較
- Marker Duke PT:高DINでよりアルパイン的だが重く複雑。Shift2は軽く、切替が容易。
- Fritschi Tecton 13:登りは明らかに軽快だが、テックトゥの下りはやや不利。
- Marker Kingpin 13:軽量なテックトゥ型。Shift2の方がアルパイン的保持とAFDによる安定したリリース。
- CAST Pivot:下り性能は最高峰だが重量・手間が大きい。Shift2は現実的な一台完結型。
重要ポイント
- 長いトゥ弾性で、下りの安心感がアルパインに近い。
- ヒール完全回転と実用的なクライミングエイドで登りも快適。
- MNCと微調整AFDでブーツ適合性が広い。
- 妥協点:超軽量ではなく、着氷時のモード切替に注意。
こんな人におすすめ
本格ツアーと攻めたダウンヒルを1セットでこなしたい上級〜エキスパート。バックカントリーとゲレンデを6:4〜5:5で使い分ける広めのオールマウンテン/フリーライドスキーに最適。
想定される弱点
- 超ロングツアーでは重量が効いてくる。
- ブーツを替える際はAFD高さの再調整が必要。
- トゥ周りの雪氷で切替が渋ることがあるため要除去。
- ヒール弾性は良好だが、トップレース系アルパインには及ばない。
セットアップのコツ
- ブレーキ幅はウエスト同等〜約+15 mm。
- Power Block AFDの高さをブーツに合わせて精密に調整し、前圧も確認。
- トゥ機構の着氷を避け、スムーズな切替を確保(プラスチックスクレーパーが便利)。
よくある質問
Q: GripWalkブーツで使えますか?
A: はい。MNC対応(ISO 23223)です。ツアーモードにはトゥのテックインサートが必要です。
Q: ゲレンデ常用としても向いていますか?
A: 可能です。下り性能は強力ですが、純アルパインより重量と可動部品は増えます。
Q: ブレーキはどの幅を選べば良い?
A: スキーのウエストと同等か+5〜15 mm程度(例:102 mm → 110 mm)。
Q: 初代Shift 13との違いは?
A: トゥ部の洗練(伝達・弾性)とPower Block AFD追加によるリリース安定化、素材最適化が主な改良点です。