Rossignol Escaper 105 Nano – 山スキー/バックカントリー徹底レビュー
Escaper 105 Nanoは、現代的なBC向けツアースキーのど真ん中。軽快な登行性能に、105mmウエストと前後ロッカー、足元の薄いNano Titanalで、浮力・操作性・エッジグリップのバランスが秀逸です。
概要
- 性格:軽快でピボットしやすく、ツアースキーとしては硬い雪面でも十分に落ち着きあり。
- ターン:中〜大回りが得意。樹林帯や急斜面でのスラッシュやスリップも簡単。
- ターゲット:登りの軽さを重視しつつ、下りはパウダー寄りの楽しさを求める中級〜上級のツアラー。
滑走性能
- パウダー:105 mm+大きめのティップロッカーで容易に浮上。早めに立ち上がるテールはスピードコントロールと素早い方向転換を助け、引っ掛かり感が少ない。
- 荒れた雪・残雪:足元のNano Titanalが超軽量カーボン系より振動を抑える一方、やはり軽量スキーらしく重いクラッドでは減衰は控えめ。
- ハードパック:フルサイドウォールと“Extended Sidecut”で、ツアー構造としては良好なエッジホールド。179cmの20 mラディウスはややスピードが乗るほど安定。極端に短い切り返しは少し力が要る。
登行・操作性
- 重量:約1400 g/本(179 cm)。長い登りも効率的で脚が残る。
- 取り回し:Aero Profileによりスイングウェイトが軽く、キックターンやホップターンが正確で楽。
- スキン対応:V‑Skinアンカー(ティップ&テール)で着脱が速く確実。
構造
- 軽量ポプラコア:軽さと反発・サポート性の両立。
- Nanoファイバー+Nano Titanal(足元0.4 mm):必要箇所に的確な剛性とグリップを付与、重量増は最小限。
- フルサイドウォール:力の伝達がダイレクトで硬い雪でも信頼できる噛み付き。
- シンタードHDソール:ワックス保持と滑走性に優れる耐久ベース。
- Aero Profile:スイングウェイト低減で素早く正確なステア。
主なスペックと意味
- ロッカープロファイル(ティップ&テールロッカー/早めのテールライズ):浮力向上、導入が容易、急斜面やタイトな地形での減速・スラーブがしやすい。
- サイドカット(135‑105‑125 mm):105 mmはパウダーと汎用性の中庸。大きめティップで素直に入り、やや細いテールで予測可能に抜ける。
- 重量(約1400 g/本 @179):登り効率が高い反面、重いメタル系より高速域の減衰は控えめ。
- 回転半径(18 m @170|20 m @179|22 m @187):スピード域で安定し滑らかな弧。ロッカーにより低速でもピボットが容易。
- 長さ(170/179/187 cm):短め=タイトな地形と軽快感、長め=安定性・浮力・大きなターン。
比較
- Atomic Backland 107:ディープでよりサーフィー。Escaper 105 Nanoはエッジ上で精度が高く、速度域で落ち着く。
- Salomon MTN 106 Carbon:やや重く減衰に優れる。Rossignolは登りが軽く、ミックススノーでより遊べる。
- Blizzard Zero G 105:ハードで要求度高め。Escaperは寛容でタイトな場所でもピボットしやすい。
- Black Crows Corvus Freebird:クラッド突破力は上だが重量増。長い標高差にはEscaperが有利。
おすすめの滑り手
- 軽量性とパウダー性能を優先しつつ、硬めのコンディションでも頼れるエッジを求める人。
- 中〜大回りを好み、変化する山の雪で軽快にピボットできるスキーが欲しい人。
主なポイント
- 軽いのに頼れる:登行効率を確保しつつ下りの安心感も両立。
- パウダーに強く操作性良好:樹林・急斜面でのスラッシュが容易。
- 荒れ雪での減衰は控えめ:ゲレンデの重いクラッドを高速で突っ切る用途には非推奨。
よくある質問
Q: 相性の良いビンディングは?
A: 250〜400 g程度の軽量テック系が登行の強みを活かせます。下り重視なら400〜600 g帯で弾性・保持に優れるモデルが◎。
Q: 長さの選び方は?
A: 目安は身長前後。タイトな地形や取り回し優先は短め(−5 cm)、安定性と浮力重視は長め(+5 cm)。
Q: 初心者にも合う?
A: 寛容なロッカーと軽い取り回しで、意欲的な初級〜中上級のツアラーに好相性。硬い整地中心の完全初心者は、より細身・短半径の方が学びやすい場合も。
総評
Rossignol Escaper 105 Nanoは、軽さ・パウダー適性・汎用性を高水準でまとめたツアースキー。パウダーとミックススノーで輝き、登りは軽快、締まった雪でも十分な安心感。対価は重いクラッドでの減衰の少なさですが、パウダー寄りの“一台で何でも”を狙うなら最有力候補です。