Zag Slap 92 — Review
概要
Zag Slap 92 は、フランス・シャモニーのZagラボで作られるフリーライドおよびフリーランド寄りの Slap シリーズの中核モデルで、ピステからソフトな雪、たまのパーク・セッションまで一本でこなしたい中・上級スキーヤーに向けた万能機です。ウエスト92 mm、パーシャル・ツインチップ、ポーロニア/ポプラのコアにより、遊び心のあるオールマウンテン領域にしっかり収まる──金属ラミネートを使った典型的な92よりも寛容で、純粋なパーク・ツインよりは方向性のある一台です。
雪上での挙動
160 cm で16.8 m、185 cm で20 m というサイドカット半径は中〜ロングターン領域ですが、控えめなキャンバーと20%のティップロッカー、15%のテールロッカーがターンの入りを軽く保ちます。ピステでは中速域でクセのないエッジを保ちながら、決して固まる感覚はなく、ペダルを緩めればロッカーが先端を解放してショート&サーフィーなターンを引き出します。荒れた雪や10〜15 cm の新雪では、ワイドなティップとパーシャル・ツインのテールが92 mm でも十分な浮力を生みます。氷上で高速GSアークを刻むスキーではありませんが、ヨーロッパのオールマウンテン・スキーヤーが求めるほとんどをカバーします。
構造とスペック解説
トップシートの下では、Zag がポーロニアとポプラを組み合わせたウッドコア(軽量化のポーロニア、エッジ付近の剛性のためのポプラ)を Semi-CAP サンドイッチ構造で重ねます。金属ラミネートはなく、代わりに多軸ファイバーグラスの二層がねじり剛性とエネルギーリターンを担い、ABS サイドウォールがエッジホールドを補完します。結果として、1本あたりの重量は160 cm で1,550 g、185 cm で1,820 g──92 mm オールマウンテンとしては軽量で、ツアリングや遊び心ある操作性を生む反面、純粋に攻める方向性のスキーヤーは高速域で頭打ちを感じる場面もあります。
誰のためか & 比較
Slap 92 は、軽い振り感を絶対的な安定性より優先する中〜上級スキーヤーで、遊び心のあるオールマウンテンを一本で済ませたい人に最適です。Nordica Unleashed 90 と比べると、Slap は少し細く軽く、半径も長め。Armada Arv 94 に対しては、よりパーク寄りではないものの、ロッカーは大胆です。金属ラミネートの Head Kore 93 Ti は高速安定性で勝りますが、ツアリング重量や遊び心では譲ります。
良い点、注意点、結論
良い点
- 軽い振り感。
- 遊び心のある乗り味。
- パーシャル・ツインの汎用性。
- 92 としては十分なソフトスノーの浮力。
- シャモニー・ラボ仕込みのフランス的仕上げ。
注意点
- 金属を使わない構造は高速での安定性に上限がある。
- 最長サイズのロング半径はショートターン派には不向き。
- ヨーロッパ外でのブランド露出が限定的。
結論: 専用カーバーや本格的なパウダーデー以外を一本でこなす、軽く遊び心のあるオールマウンテンを求めるヨーロッパのスキーヤーに強くおすすめできる一台です。

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