Salomon S/LAB QST Blank|レビュー
S/LAB QST Blankは、サロモンの本気のフリーライドスキー。112 mmウエスト、ロッカー–キャンバー–ロッカーの「23/57/20」プロファイル、そしてコルク+玄武岩による制振構造で、荒れた雪面でも落ち着きがあり、パウダーでは軽快に浮き、圧雪でも意外なほど素直に刻めます。スピードを出し、地形を使い、混在雪を攻める上級〜エキスパートにとって、とても信頼できる相棒です。
主なポイント
- 高い安定感:Cork Damplifierと玄武岩ラミネートで、荒れた雪の振動をしっかり吸収。
- 浮力と取り回し:23/57/20の長いロッカーで、素早く浮き上がりスミアからカーブへの移行も滑らか。
- 遊べるが頼れる:ポプラコア+部分ツインテール、やや硬めのテールでポップと着地の支えを両立。
- 112 mmにしては多用途:この幅としてはエッジホールドが良好。ゲレンデの移動も苦になりにくい。
- 軽量志向ではない:リゾート〜サイドカントリー向き。長距離登行には不向き。
対象スキーヤー
- 安定性と予測可能性、スピードコントロールを重視する上級〜エキスパート。
- パウダー、荒れた雪、急斜面や自然地形をミックスして滑る人。
- 広めのフリーライド板が欲しいが、帰りのゲレンデも無難にこなしたい人。
構造とデザイン
- フル・ポプラウッドコア:自然な反発と耐久性。
- 玄武岩+グラスファイバー:ねじれ剛性とエッジグリップを強化、金属フルラミネートより軽量。
- Cork Damplifier(トップ&テール):最小限の重量増でチャタリングを抑制。
- 足元Titanalインサート:パワー伝達とビス保持力を確保。
- サンドイッチ・サイドウォール:ダイレクトなエッジパワーと精度。
- 部分ツインテール:スイッチ対応と許容のある抜け、着地の支えもプラス。
- オーストリア製。
雪上での性能
- パウダー:長いロッカーと112 mmウエストで素早く浮上。やや強めのテールが着地を支え、フォールラインを保ちやすい。
- 荒れ/クラッド:真骨頂。制振と質量で溝や再凍結跡を受け流し、トップが落ち着く。
- 急斜/テクニカル:この幅としては信頼できるグリップと予測可能なフレックスで、ホップターンや狭いエントリーに安心感。
- 圧雪/ハードパック:112 mmとしてはカービング性能が良好。中半径(長さ別に17–20 m)は中〜大回りが気持ちいい。アイスバーンでは健闘するが、メタル満載のカービング機ほどではない。
- ジャンプ&スイッチ:ポプラコアと部分ツインでポップとバランス良好。パークのバター専用ではないが、ドロップの安定感は高い。
スペック解説
- ロッカープロファイル(23/57/20):長いトップ/テールロッカー=浮力と小回り、足元のキャンバー=グリップと反発。
- シェイプ(長さにより):約139–140 / 112 / 128–129 mm。ワイドなトップは浮力、少し絞ったテールはクリーンな抜けと着地の支え。
- 回転半径(17–20 m):安定した中〜大回りを後押し。荷重すれば自在に向きが変えられる。
- 重量(約1840–2270 g/本):質量は安定と制振に寄与。長距離の人力登行には重め。
- 長さ(170/178/186/192):身長・速度域・地形に合わせて。ある程度のコミットが活きる板。
サイズ選びとマウント
- 長さ:Blankは攻めるほど応えるタイプ。多くの上級者は実寸か+1サイズ。
- 〜175 cm:178
- 175–185 cm:186(多くの人のスイートスポット)
- 185 cm以上・非常にアグレッシブ:192
- ビンディング:リゾート〜サイドカントリーならアルペンまたはハイブリッド。長距離登行はより軽い板が有利。
比較
- Blizzard Rustler 11(114 mm):より軽くテールはルースでスラッシュ向き。ただし荒れた雪での落ち着きはBlankが上。
- Atomic Bent 110:遊びやすくバターも得意だが、重い荒れ雪での安定感は控えめ。
- Nordica Enforcer 110 Free:メタルでさらにダンピー&方向性強め。重く、機敏さと遊びはBlankに軍配。
- Salomon QST 106:デイリー向け万能機。深雪・荒雪での浮力と突破力はBlankが優位。
想定される弱点
- 登行には重め:下り重視の設計でロングツアー効率は低い。
- テールがやや硬め:支えは心強いが、極端にサーフィーなピンテールほどのルース感はない。
- フルメタルではない:十分なグリップだが、氷上の噛み付きは二枚Tiのカービング機に劣る。
よくある質問
Q: S/LAB QST Blankは1本化(クイバー・オブ・ワン)に向いていますか?
A: 積雪の多いエリアなら有力候補。112 mmウエスト、ロッカー–キャンバー–ロッカー、優れた制振でパウダー/荒れ/圧雪を広くカバー。少雪地域ではQST 106の方が実用的な場合も。
Q: S/LAB QST Blankの長さはどう選ぶべき?
A: オフピステで強く滑るなら実寸か+1で安定性を。タイトなツリーや素早いピボット重視なら身長相応から無理に延ばさない選択を。
Q: ツアー向けの軽量板と比べると?
A: Blankは下り性能と制振を最優先。ハイブリッドビンディング運用は可能だが、ロングツアーは軽量板が圧倒的に有利です。
総評
Salomon S/LAB QST Blankは、ビッグマウンテン級の落ち着きとパウダーデイの楽しさ、そして実用的なオールマウンテン性を併せ持つ一台。ダンピーで予測可能、かつ十分に活発。スピード、ドロップ、荒れた雪面を品よくいなしつつ、ゲレンデでも扱いやすいフリーライド板を探すなら有力候補です。