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によって Andrew Ingold

Head Kore 112 Ti レビュー

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狙いと性格

Kore 112 Tiは、大きなライン、ストーム後のディープ、ゲレンデ脇のスティープを想定したディレクショナル系フリーライドスキーです。ウエスト112 mm、184 cmで21 mという長いラディウスは、バターやスピンよりも速度域での安定と落ち着きを後押し。Ti構造のアップデートにより減衰性とエッジグリップが向上しつつ、過度な重さは回避。実測で1本約2248 g(184 cm)。トップをしっかり押していく上級者に安定感と精度が響きますが、低速やタイトツリーでは要求度が上がります。

パウダーと柔らかい雪での性能

35/40/25のロッカープロファイルにより、柔らかい雪での浮き上がりが容易で、ピボットしやすい寛容な乗り味に。大きめのティプロッカーと控えめなテーパーがノーズを高く保ち、適度なテールロッカーは失速感なくクリーンに解放してスラッシュ可能。112 mm幅は風に締まった雪から膝程度までしっかり浮力を発揮。ただし底なしの超深雪では116–120 mm級が一日の長。超細かなツリーの切り返しより、フォールライン寄りの中〜大回りを得意とします。

安定性、整地と荒れたバーン

デュアルTitanal、フラックス(亜麻)レイヤー、グラフェン、ISSエッジアイソレーションが、荒れた雪や再凍結したデブリでも落ち着いた乗り味を実現。板を走らせるほどに良さが出て、午後のクラッドを最小限のバタつきで切り裂きます。長いラディウスはコミットしたGS的な弧を高い安定感で支援。圧雪では40%のキャンバーが信頼できるエッジホールドとスムーズな切り返しを提供。反面、コブや狭い場所では取り回しが長く感じられる場面もあります。

スペックと構造の解説

ロッカー/キャンバー/ロッカー(ティップ約35%、キャンバー40%、テール25%)は、浮力とグリップのバランス設計。ロッカーが多いほどピボットと浮き上がりが容易、キャンバーはエッジの食い付きと反発を生みます。184 cmの140‑112‑128 mmは安定性を高めつつ抵抗を抑えた寸法。21 mのサイドカットは小回りより高速安定を重視。約2248 g/本の重量は荒れ雪での落ち着きに寄与。Karuba‑Beechコア、Titanal二層、フラックス、グラフェン、面取りサイドウォール、ISS減衰で、軽さと静粛性、耐久性を両立。

サイズ選び、比較、総評

推奨は多くの上級者に184 cm。高速志向・オープンテレイン中心・体重85 kg超なら191 cm、タイトツリーや軽量体型なら177 cmも有効。推奨ラインにマウントでバランス良好、±1 cmは好みで調整。Atomic Bent 110やSalomon QST 112に比べると、より剛性感がありスピード域で落ち着く一方、遊びは控えめ。Nordica Enforcer 110 Free対比ではわずかに軽く、ピボットしやすい。総評:頼れるビッグマウンテン志向、必要な場面で素直に回せる一本。