によって Andrew Ingold
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Crux 87 Pro は、登りの効率と硬い雪面での信頼性を両立させることを目標に設計された軽量のツーリングスキーです。87 mm のウエスト幅と先端・テールにロッカーを持つプロファイル(rocker/camber/rocker)により、素早いエッジングと様々な雪質に対応する浮力のバランスを備えています。上級者やエキスパート向けに重量削減を図りつつ、滑走時の安定感を損なわない仕様が特徴で、ツアー主体の使い方に適した機種です。
構造は軽量なカラバ(Karuba)ウッドコアにグラフェンを組み合わせ、Full Triaxial Carbon Jacket によりねじれ剛性を高めています。サンドイッチキャップ構造、Structured UHM C ベース、テールノッチなどが耐久性と滑走性能を底上げします。Topless Tech によってトップシートを省き、177 cm の基準で片足あたり約1,220 g と軽量に仕上がっており、長い登りでも疲労を抑えつつ下りでのレスポンスを確保します。
実走では、硬いバーンや混合コンディションで優れたパフォーマンスを発揮します。177 cm でのサイドカットは126‑87‑108、半径は約17.7 m と報告されており、中〜長めのターンで安定したカービングが可能です。トライアキシャルカーボンとグラフェンの剛性がエッジホールドを高め、きれいなターン導入を実現します。一方でウエストが比較的細いため深雪での浮力は限定的です。
競合との位置付けでは、同クラスの軽量ツーリングスキー、例えばZero G 85 のようなサブ90 mm のモデルと並びます。本機はカーボンジャケットとグラフェンの影響で剛性やトーション剛性が高く、急斜面や高速での信頼感が勝ります。長距離のアプローチと本格的なアルパインラインを両立させたいライダーには魅力的ですが、純粋なディープパウダーを求めるなら幅広モデルの方が適しているでしょう。
主要スペックの解説:チップ126 mm、ウエスト87 mm、テール108 mm はサイドカット挙動と浮力を決めます。ロッカー/キャンバー/ロッカーのプロファイルはターンの入りを助けつつ、踏み込んだときの接地感を維持します。約17.7 m のターン半径は中〜長めのターン志向を示します。Structured UHM C ベースは雪の付着を抑え、テールノッチは携行を助けます。選び方は体重と滑り方に合わせて長さを決めてください。