Black Crows Camox (2025/26) — レビュー
第4世代のCamoxは、プレイフルなフリースタイル系の性格を保ちつつ、日常使いのオールマウンテンとして磨きがかかりました。センター97 mm、ダブルロッカー、18 mのラディウスで、スムーズなピボットやスラーブと、安心のエッジグリップ、リゾート速度に見合う安定性を両立します。
雪上性能
- 圧雪/カービング: 足元のミディアムキャンバーが確かなグリップと反発を提供。18 mのサイドカットは中庸で汎用性が高く、小回りも大きなターンも快適。ガチガチのアイスでは重量級メタル系ほどの減衰はありません。
- コブ/林間: 中程度の重量(≈1700 g @175)とロッカーで素早く向き換え可能、寛容な乗り味。プログレッシブなフレックスが狭い場所でのミスも吸収。
- 軟雪: 97 mmとしては上々の浮力。専用パウダー板ではないものの、降雪後のゲレンデや風で押された雪、柔らかい荒れ雪なら十分対応。
- パーク/スイッチ: セミツインテールと推奨マウント-6 cmで、サイドヒットやスピン、たまのレールにも対応。足元のアッシュ補強で着地も安心感あり。
- 安定性/高速域: 日常速度なら落ち着いた挙動。超高速や硬い荒れ面ではトップがややバタつくことも。よりディレクショナルなモデルの方が沈着です。
構造ハイライト
- ポプラコア+足元アッシュポケット補強:軽快さに加え、エッジングと着地時の支えを強化。
- セミキャップ+ABSサイドウォール:耐久性と素直なパワー伝達。
- ダブルロッカー+ミディアムキャンバー: smear/pivot の自在性と必要十分なグリップ。
- 推奨マウント:-6 cm(フリースタイル寄り。ディレクショナル志向なら0.5–2 cm後ろへ)。
スペック解説
- ロッカープロフィール:ダブルロッカー+キャンバー—取り回しと浮力を高めつつ、固い雪でのグリップと反発を確保。
- センター97 mm:オールマウンテンのど真ん中。素早いエッジ切替と軟雪での扱いやすさを両立。
- ラディウス18 m:バランス重視。過敏でも鈍重でもなく、ライン取りがしやすい。
- トップ/テール(長さにより異なる):広めのトップ(最大138 mm)は浮力に寄与。やや絞ったテール(最大125 mm)は抜けの良さとコントロール性を向上。
- 重量≈1700 g(175 cm):軽快で遊べる一方、アイスでは減衰は控えめ。
比較
- Atomic Bent 100:Camoxの方がややクリーンにカービング。Bent 100はよりルーズでサーフィー、パーク寄り。
- Salomon QST 98:QSTは高速で落ち着きとパワーに優れる。Camoxはピボットが容易でコブ/林間が軽快。
- Blizzard Rustler 9:荒れ雪での減衰と速度域は上。Camoxは軽快で寛容。
- Nordica Unleashed 98:どちらも遊べるが、Camoxは操作がやや容易。Unleashedはアグレッシブ向けにやや硬め。
対象ユーザー
- おすすめ:ゲレンデの多様な状況で遊びたいオールマウンテン志向—圧雪、コブ、林間、サイドヒット、時々パーク。
- 不向き:氷のような急硬化バーンでの本格カービング、直線高速重視、ディープパウダー専用志向。
マウント/サイズ選び
- マウント:まずは-6 cm。フリースタイル色を強めるなら+0.5–1 cm前へ。ディレクショナル志向や急斜面重視なら0.5–2 cm後ろへ。
- 長さ:身長付近〜+5 cmが目安。軽量/テクニカルなら短め、攻める/広い斜面が多いなら長め。
長所と短所
- 長所:プレイフルで取り回し良好。使用範囲が広い。足元のサポート感。ピボットのしやすさ。
- 短所:アイスや強い荒れ面での減衰は控えめ。超深雪では浮力不足。
重要ポイント
- プレイフルな日常板:多くのゲレンデ条件をそつなくこなす。
- バランス設計:18 m×97 mmで予測しやすく汎用。
- フリースタイル適性:セミツインと-6 cmでポップとスイッチのバランス良好。
よくある質問
Q: Black Crows Camoxの硬いバーンでのグリップは?
A: ミディアムキャンバーと18 mラディウスで安定したエッジホールドと丸いターン。ガチガチのアイスではメタル積層の重量級モデルが有利です。
Q: センター97 mmでパウダーは大丈夫?
A: ゲレンデパウダーや柔らかい荒れ雪なら問題なし。深く軽い雪では105–110 mmクラスのフリーライド板が明確に有利です。
Q: ビンディングの取付位置は?
A: 工場推奨は-6 cmで汎用性が高い。パーク寄りならわずかに前へ、ディレクショナル志向なら後ろへ下げると安定感が増します。