Black Crows Anima — ビッグマウンテン・フリーライドレビュー
概要
Black Crows Anima は、遊び心と安定感を両立した115 mmウエストのフリーライドスキー。ダブルロッカーで深雪はラクに浮き、足元のクラシックキャンバーとABSサイドウォールが硬い雪面や高速域でも落ち着いたエッジグリップを与えます。
対象スキーヤー
- 中上級〜エキスパートで、サーフィーなツインテールを求めつつ整地でもしっかりターンしたい人。
- スメア/ピボットやジャンプを楽しみつつ、荒れた雪を突っ切る安定感も欲しい人。
- 降雪が少ない地域のデイリーや、超やさしいカービングを求める初級者には非推奨。
雪上性能
- パウダー: 115 mm+ダブルロッカーで高い浮力と軽快なスラッシュ。プログレッシブフレックスによりノーズダイブを抑制。
- 荒れ/不整地: やや重めの重量とカーボン/ケブラー補強で減衰性が高く、高速でも落ち着きます。
- 圧雪・グリップ: 115 mmとしては優秀。足元キャンバーと≈19 mサイドカットで中〜大回りに自信。
- ツリー・コブ: ダブルロッカーで素早いピボットが可能。タイトセクションでは重さを僅かに感じるがバランスは良好。
- ジャンプ/スイッチ: 反り上がったツインテールで着地/スイッチ対応も◎。推奨マウント−6 cm付近で安定と遊びの両立。
構造とスペック(性能への意味)
- ロッカープロファイル: ダブルロッカー+短い足元キャンバー(ロッカー/キャンバー/ロッカー)。浮力と容易な導入、硬い雪でのポップ/グリップを両立。
- 形状: サイズが長いほどノーズ/テールが広く、ウエストは全サイズ115 mm。幅広=浮力/安定、エッジ切替はやや遅め。
- 回転半径: ≈19 m。長めの安定したアークが得意、ロッカーでピボット性も確保。
- 重量(1本): 約2150–2450 g(サイズ依存)。重量は減衰と直進安定に有利だがロングツアーには不向き。
- コア/構造: ポプラ+グラス、カーボン/ケブラー帯、セミキャップ+ABSサイドウォール。耐久・グリップ・振動吸収の好バランス。
- マウント: −6 cm推奨。ややディレクショナルかつ遊べる立ち位置。+1〜2 cmでフリースタイル寄り、−0.5〜1 cmで直下降安定重視。
サイズ選び
- 176〜182 cm: 体重/身長が軽め、ツリー重視、よりプレイフル。
- 189 cm: 多くの>175 cmでハイペースな人のスイートスポット。
- 194 cm: 開けた斜面やハイスピードで最大安定。
開けた地形・高速志向なら長め、タイト/軽量なら短め。
比較
- Atomic Bent Chetler 120: パウダーでよりルーズ&サーフィー、硬い雪では落ち着き劣る。Animaはリゾートでのグリップ/減衰に優れる。
- Moment Wildcat 118: より硬めで突進型。Animaは寛容でピボットしやすい。
- K2 Mindbender 116C: 軽くツリーで俊敏、荒れでは減衰が少なめ。Animaの方が荒れに強い落ち着き。
要点まとめ
- パウダー性能: 115 mm+ダブルロッカーで浮力とスラッシュが秀逸。
- 速度域の安定: 減衰と≈19 m半径がスピードでも安定。
- 幅のわりに万能: 圧雪もこなすが純粋なカーバーではない。
- 重量のトレードオフ: 減衰は良いがロングツアーには重め。
よくある質問
Q: 圧雪ではどうですか?
A: 115 mmにしては優秀。足元キャンバーとサイドウォールで中〜大回りの食いつきは十分。ただしフロントサイド専用機の代わりにはなりません。
Q: おすすめのビンディングは?
A: リゾート中心なら頑丈なアルペン。サイドカントリーもするならShift/Cast等ハイブリッドも可。ただし登りではスキー重量に留意。
Q: マウント位置は?
A: まずは推奨の−6 cm。+1〜2 cmでフリースタイル/スイッチ寄り、−0.5〜1 cmで直下降安定を優先。
Q: 1台で全てこなせますか?
A: 多雪地域なら可。そうでなければ115 mmは日常用として広め。104〜108 mm帯が万能度は高いです。