全FIS大会で耐切創パンツ義務化:2026-27年ルールの変更点

2024年2月10日、アンドラ・ソルデウで行われたワールドカップ大回転2本目を滑るオーストリアのユリア・シャイブ。写真:Tournasol7 via Wikimedia Commons、CC BY 4.0
2026-27年シーズンから、FISのアルペン競技に出場するすべての選手は、レーススーツの下に耐切創パンツを着用しなければならない。昨シーズンまで、この規則はワールドカップとコンチネンタルカップのレベルにしか適用されていなかった。FISの新しい用具規定では、スキー・プレート・ビンディングの最大重量、スキーの最大長、ブーツの最大高も初めて定められた。
要点
- 耐切創のアンダーパンツは、すべてのFISアルペン大会で義務となり、保護等級は3つ星以上が求められる。
- 2025-26年は、ワールドカップやコンチネンタルカップなど、レースレベル0と1でのみ義務だった。
- エアバッグはレベル0と1の滑降とスーパー大回転で引き続き義務。ノーアムカップの例外はなくなった。
- 新設:男子滑降のスキーは、プレートとビンディングを含めて1本あたり最大5.3kg。
- 新ルール下で最初の回転は、2026年11月14日と15日にフィンランドのレヴィで行われる。
新しいパンツ規則の内容
この規則は、2026/2027年版FISアルペン競技用具規定(Specifications for Alpine Competition Equipment)の第3.5.3.4項にある。FISは初版に2026年7月6日、現行版に2026年10月8日に署名した。同項は「耐切創のアンダーパンツの使用は、すべてのFISアルペンスキー大会で義務とする」と定めている。
パンツはFIS-DITF試験規格で3つ星以上の保護性能を備えていなければならない。その保護は、腸骨稜(腰骨の上端)からスキーブーツの上端までの脚全体を覆う必要がある。耐切創のシャツや全身スーツは、義務ではなく、引き続き強く推奨される扱いだ。
| FISの星等級 | 生地が耐える切断力 |
|---|---|
| 1つ星 | 100 N |
| 2つ星 | 200 N |
| 3つ星(パンツの最低基準) | 300 N |
| 4つ星 | 400 N |
| 5つ星 | 500 N |
生地は、繊維の3方向それぞれで、5回の試験のうち4回でその等級に達しなければならない。最も弱い方向が星等級を決める。認証済みのパンツには、左脚下部の裏側、ブーツの上に30 × 50 mmのラベルが付く。
影響を受けるのは誰か
オーストラリアの国内連盟Snow Australiaは8月、所属選手に対し、従来の「強く推奨」という文言が「今シーズンからすべてのFIS大会で」義務に変わったと伝えた。オーストリアのマスターズ団体VSKIは9月9日、FISマスターズカップでもパンツが義務になったと書いた。
イタリアのスキーサイトI Love Skiは9月29日、FISが2025-26年にレベル0と1のレースでパンツを義務とし、それ以外では推奨していたと報じた。米メディアのSki Racing Mediaは、対象としてFISレース、ノーアムカップとヨーロッパカップのレース、大学のレース、マスターズのレースを挙げている。この記事は、こうしたパンツを販売する企業の創業者によるパートナーコンテンツだ。
この規則は、スキーのエッジによる重い切り傷が続いたことを受けたものだ。I Love Skiによると、ノルウェーのアレクサンダー・オーモット・キルデは2024年1月13日、ウェンゲンでのワールドカップ滑降で脚を深く切った。
エアバッグ:例外が減少
エアバッグは、レースレベル0と1の滑降とスーパー大回転で、レースと公式トレーニングの両方において引き続き義務となる。2025-26年版では、ノーアムカップ、ファーイーストカップ、世界ジュニア選手権が例外とされていた。2026-27年版には例外がなく、エアバッグを作動状態にしていない選手は失格となる可能性もある。
「プロテクターを着用するだけで電子システムを作動させていなければ、規則を満たさない」と、Ski Racing Mediaは10月9日、ノーアムのレースについて書いた。同記事によると、コロラド州カッパーマウンテンでのノーアム初の滑降トレーニングは12月7日に行われる。
重量、長さ、ブーツに新たな上限
2026-27年版の規定では、3種類の新しい上限が加わった。これまでFISが定めていたのはスキーの最小長だけで、重量制限はなかった。以下の重量は組み立て済みのスキー1本あたり、つまりスキー、プレート、ビンディングの合計だ。
| 種目 | 最大長 女子/男子 | 最小長 女子/男子 | 最大重量 女子/男子 |
|---|---|---|---|
| 滑降 | 218 / 223 cm | 210 / 218 cm | 5.2 / 5.3 kg |
| スーパー大回転 | 215 / 218 cm | 205 / 210 cm | 5.0 / 5.1 kg |
| 大回転 | 192 / 200 cm | 188 / 193 cm | 4.9 / 5.1 kg |
| 回転 | 上限なし | 155 / 165 cm | 4.5 / 4.6 kg |
10月版では、2026-27年シーズンに限り、滑降とスーパー大回転で300 gの重量許容差が認められている。通常の許容差は50 gだ。新しいブーツ規則は、ソール長に応じてブーツ全体の高さに上限を設け、260–269 mmのソールで365 mm、330–339 mmのソールで434 mmとしている。
重量制限は、誰にでも歓迎されているわけではない。blue Newsが10月9日に報じたところでは、ロシニョールのレーシングディレクター、ステファン・ムージャンはスイス紙ブリックに「この規則が私たちのスポーツの安全性に良い影響を与えるとは思えない」と語った。
新ルール下での今後のレース
| 日付 | レース |
|---|---|
| 2026年11月14日(土) | レヴィ、女子回転 |
| 2026年11月15日(日) | レヴィ、男子回転 |
| 2026年11月28日(土) | カッパーマウンテン、男子スーパー大回転(今季初のスピード系レース) |
| 2026年12月11日(金) | ビーバークリーク、女子滑降(女子初のスピード系レース) |
FISルールがレース用スキーに意味すること
FISの長さと回転半径の規定によって、クラブやFISの選手が使えるレース用スキーが決まる。メーカー公表値によると、Völkl Racetiger GS R WC FISは188 cmと193 cmで、回転半径は30 m。これは女子と男子のFIS最小長にあたる。Rossignol Hero FIS SLは157 cmと165 cmで展開されている。
FISレベルで競技するなら、スキー、プレート、ビンディングを合わせた重量を確認しておきたい。レース以外のスキーについては、メーカー公表値でモデルを比べるか、Pick-a-Skiでレベルと地形に合わせてカタログからランキングを出してみてほしい。
